両手いっぱいの花束をあなたに


「………い、………おい」

「あ」

声をかけられて、ハッとすると、呆れた顔が2つ。

私はあの日に意識が飛んでいて、ボーッとしていたみたい。


ーまたやってしまった…。

またボーッとしてるって、呆れてるに違いない。


「戻ってこい、花音」

「今帰ってきたよ」

「花音、ほんとうにボーッとしてるよね、まぁ、私も見ててほのぼのとするから良いんだけどさ」


ほー、それは初耳だよ、美緒。


私を見ていてほのぼのするなんて、私って『癒し系?』というやつだったのか。


「花音は、うさぎみたいだな」

「うさぎ……確かに、このほわほわとした感じとか、眠そうな感じとかね!」


つっくんと美緒がなぜか私をネタにして盛り上がってる。

まぁ、いいや。


うさぎでもなんでも、2人は何かと私の世話を焼いてくれるから、すごく安心する。


同い年なのに、お姉ちゃんとお兄ちゃんが出来たみたい。

私は一人っ子だから、それがすごく嬉しかった。




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