両手いっぱいの花束をあなたに
「おいおい、俺達は見てくれないのかよー」
「それは無いだろ、陸」
すると、滝川くんと、篠田くんが傍まで歩いてきた。
滝川くんは4番、篠田くんは2番のゼッケンを着ている。
確か……4番はキャプテン、5番が副キャプテンで、7番がエースって、意味だって聞いた事がある。
「滝川くん、篠田くん!」
「真南斗先輩と陸先輩は、眼中に無いっすから」
颯はシレッと酷い事を言う。
「はーやーてーーっ、このヤロウ!!」
すると、篠田くんは颯に近づいて、ゴリゴリと頭を両拳で挟んだ。
「痛っ、何すんすか、横暴だろっ!!」
「先輩を敬え、先輩を!!」
私を抱えたまま抵抗する颯を、篠田くんは、執念深く追う。
「わ、わわっ、揺れる~っ」
颯に抱えられたままだったせいで、颯が痛がって動く度、私の体もグラグラして怖い。