両手いっぱいの花束をあなたに
「野木 花音ーーーっ!!」
「えっ!?」
すると、突然誰かに名前を呼ばれる。
その場にいた、たぶん全員がその声に振り返った。
「野木 花音!!」
振り返ると、さっき道案内をした、黒崎 雷牙くんが仁王立ちで、私を指差していた。
わ、すごい威圧感!!
怒ってる?
に、睨まれてる!?
「雷牙、君は何をしてんの」
「三雲、口出すなや。これは、俺と女神の問題なんだよ!」
「あのねぇ……雷牙、いつも言うけど、先輩をつけろ。しかも、女神って何の話?」
三雲って……黒崎くんを置いてっちゃったっていう…。
あの、栗色のマッシュヘアーの男の子が、三雲くん。
先輩って言ってたけど、黒崎くんめちゃくちゃタメ語だった気が……。