両手いっぱいの花束をあなたに


「俺のだっつーの、誰にもやらねーよ…」

「えっ……」


颯の呟きに、私は顔が真っ赤になるのが分かる。

颯は、私を隠すように、ギュッと胸に抱き締めた。


「絶対、誰にも渡さねーからな」

「颯……」


颯は、ポンポンと私の頭を撫でて、そっと離れると、ズカズカと黒崎くんに歩み寄る。


「悪いけど、他を当たれ。花音は、俺の彼女……いや、嫁だ嫁!!」


「……………え?」


……………颯??

あれ、ついに嫁になったんだ…私。


「野木さん、良いの?颯、あれ軽く暴走してるけど」


滝川くんが颯を指差して、コッソリと耳打ちしてくる。


「でもまぁ……私も、颯以外に考えられないから、嫁でもいいよ」


「…………」


私の言葉に、滝川くんは、ポカーンとした顔で固まる。

私、変な事言った??


「滝川くーん」


滝川くんの顔の前で手を振ると、ハッとしたように私を見つめた。


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