両手いっぱいの花束をあなたに
「私の為に、争わないで~って、言うところ?」
「ぶっ、くく、ハハッ!!野木、マジで面白ぇな!!」
お腹を抱えて笑う篠田くんに、私は首を傾げる。
結構、本気で考えたのにな……。
ーピィィィーーッ!!
すると、突然笛の音が響き渡る。
「そろそろ始めるから、みんな配置ついて!」
そこに現れたのは、赤いジャージ姿で、金髪のポニーテルをした、柿原さんだった。
「育が怒ってるから、さっさと始めるか」
「おーよ、ほら、颯ー!!やるぞー!!」
屈伸をしだす滝川くんの横で、篠田くんが颯くんを呼ぶ。
すると、不服そうに、颯が振り返った。
「まだ、話し終わって無いっす」
「なら、バスケで決めてよ」
すると、相手のチームの三雲くんが、黒崎くんの首根っこをつかんで、颯を見る。