両手いっぱいの花束をあなたに
「君も、雷牙と同じタイプに見えるし。ハッキリさせたいなら、バスケで勝てばいいだけだと思うけど」
「っ……まぁ、異論は無いっす。負けねーからな」
颯は、渋々頷いて、黒崎くんを軽く睨む。
すると、黒崎くんはニヤッと笑った。
「言っとくが、国体選抜のスカウト、俺にも来てるんだぜ!だからな、俺を倒すには、歯が折れるってもんだぜ!!」
「……雷牙、それは骨だよ」
「そうとも言うんだよ!!」
「それしかないから、全く、バカの子だよ、うちのエースは。まぁ、バスケの腕だけは天才級なのは、認める」
2人の会話は、まるでコントだ。
それに、黒崎くんも国体選抜のオファー、来てるんだ。
えーと、国体は確か、県でバスケの上手い選手12人が選ばれて、県の代表として戦うっていう…。
颯……。
心配になって、颯の顔を見る。
「みっともなく、逃げんじゃねーぞ、チョコレート頭」
「望むとこだ、ヤンキー野郎」
ニヤリと不敵に笑う颯に、私は驚いた。
颯、なんだか楽しそう。
あんな顔も、するんだ……。
颯の、また違う一面が見れて、私は宝物を見つけたような気分だった。