両手いっぱいの花束をあなたに
「えーと……うん、妹でいいよ……」
「♪」
嬉しそうに微笑むつっくんに、私は苦笑いを浮かべる。
みんなの前では、クールで真面目な生徒会長なのに…。
「女神ー、見てろよー!!」
「っ……く、黒崎くん……」
黒崎くんが、コートから私を見上げて、大きく手を振ってくる。
それに、軽く手を振り返した。
「なんだ、あのヤンキーは」
つっくんは、眼鏡をキラーンの光らせて、どす黒いオーラを発する。
つっくんが、怒ってる……。
私は、あげていた手をスッと下ろした。
くわばら、くわばら……。
「あのね、さっきトイレに行く途中でちょっと知り合って…」
「全く、変なのに好かれて……あぁ言うのは、ハッキリ言ってやらないと、分からないのよ。一人にするんじゃなかったわ」
か、過保護すぎはしませんか、2人とも……。
なんて、絶対に言えない。
ーピィィーッ!!
すると、試合開始の笛が鳴り響いた。
ジャンプボール、主審の手から、ボールが宙へと投げられる。
ジャンプボールは、颯と黒崎くん。
笛の音と、ボールが宙へと上がったと同時に、強く地面を蹴った。