両手いっぱいの花束をあなたに



「「ウラァァァァッ!!」」


2人の叫びと共に、ビュオオオッと、風を斬る音が聞こえた気がした。


「っ、ウラァッ!!」


ーバンッ!!


すると、颯の手が先にボールへと届き、4番ゼッケン、ポイントガードのチームの司令塔、滝川くんへと渡る。



「ナイスだ、颯!1本、強きで攻めんぞ!!」

「「オォーーッ!!」」


滝川くんの一言で、皆の士気が上がったのが分かった。


「チーム内で一番ドリブルが出来て、ボールをキープしてパスをさばく能力が高い、ゲームを作るのが滝川くんのポイントガードね」


隣に座っていた美緒が解説を始めたので、驚いた。


「え、美緒、バスケ詳しいね」


「言って無かった?私、中学は女バス入ってたのよ」


「えぇーーっ!?」


女バス、女子バスケットボール部の事だよね。

衝撃の事実に、私は目を見開く。

さすが、運動神経抜群なだけあるよ……。






< 209 / 351 >

この作品をシェア

pagetop