両手いっぱいの花束をあなたに
「「ウラァァァァッ!!」」
2人の叫びと共に、ビュオオオッと、風を斬る音が聞こえた気がした。
「っ、ウラァッ!!」
ーバンッ!!
すると、颯の手が先にボールへと届き、4番ゼッケン、ポイントガードのチームの司令塔、滝川くんへと渡る。
「ナイスだ、颯!1本、強きで攻めんぞ!!」
「「オォーーッ!!」」
滝川くんの一言で、皆の士気が上がったのが分かった。
「チーム内で一番ドリブルが出来て、ボールをキープしてパスをさばく能力が高い、ゲームを作るのが滝川くんのポイントガードね」
隣に座っていた美緒が解説を始めたので、驚いた。
「え、美緒、バスケ詳しいね」
「言って無かった?私、中学は女バス入ってたのよ」
「えぇーーっ!?」
女バス、女子バスケットボール部の事だよね。
衝撃の事実に、私は目を見開く。
さすが、運動神経抜群なだけあるよ……。