両手いっぱいの花束をあなたに
「颯、試合中は俺の事、キャプテンって呼べって言ったろ。本当に、緊張感無いよなー、お前ら……」
苦笑いを浮かべる滝川くんも、いつもと変わらない、普段の3人の姿だ。
「6月にはインターハイ予選もあるし、東京は3校出られるから、うちの高校と、あの相手チームの高校も、最優先候補ね」
「うち、バスケ強かったんだ……」
私、颯と付き合うまで、そういうの全然知らなかった。
颯、本当にカッコイイよっ!!
自分の事みたいに誇らしい気持ちになる。
ピィィーッ!!
今度は、相手チームがボールを持って、パスをした。
青ゼッケンの4番、司令塔の三雲くんがそれを受け取り、うちのチームのコートを駆ける。
「遅いね、フンッ」
三雲くんは、勢いよく黒崎くんへと、ボールを回す。
すると、それを受け取った黒崎くんが、うちのチームの選手を何人も抜いて、ゴールへとダンクしようとする。