両手いっぱいの花束をあなたに


「させっかよー!!」

「チッ、チョコレート頭っ!!」


すると、目の前に、同じようにジャンプした颯が現れた。


そのせいで、黒崎くんのボールは、ガツンッとゴール縁に当たって跳ね返る。


「っしゃ!!」


颯は、一度着地すると、すぐにこぼれたボールを奪って、コートをドリブルで爆走する。


「オイ、誰か止めろーーっ!!」

「止めさせるかよ!!」


颯のドリブルをカットしようと、相手のチームの選手が立ちはだかる。


だけど、すぐにそれを抜いて、颯は強く、ゴールへとジャンプした。


「颯っ!!」


私は、胸の前で手を合わせて、祈るように声を上げる。


「ウラァァァッ!!」


ーダァァンッ!!


颯は、見事にゴールへとダンクを決める。

その瞬間、「「オォーーッ!!」」「「キャーーッ!!」」と歓声と悲鳴が沸き上がった。






< 213 / 351 >

この作品をシェア

pagetop