両手いっぱいの花束をあなたに


ーピィィーッ!!


試合終了の合図。

そこにいる全員が、やりきった清々しい顔をしていた。


「うう~っ、俺の女神がぁぁぁっ!!」

「オイ、みっともないから止めなよ」


泣き崩れる黒崎くんの頭を、三雲くんがポカッと殴る。


「フンッ、ざまぁみろ、ヤンキー野郎」

「颯、お前も黒崎相手にギリギリだったろ」


今度は滝川くんが、颯の頭をポカッと殴る。


「うぐっ……ま、まぁ、認めてやらん事はないっす」

「負けず嫌いだよなぁー、お前!」


篠田くんは颯の頭を撫でながら、笑う。


「次は、絶てぇーに、負けねーからな、チョコレート頭!!そんでもって、俺の女神も、諦めるつもりねーぞ!!」


「はぁ!?それは諦めろよ!!」


「うぐぐっ!!」とイガミ合う2人に、ピィィーッとまた笛が鳴らされる。


「お昼休憩です、さっさと休んで下さい」


笛を鳴らしたのは、うちのバスケ部マネージャー、柿原さんだった。







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