両手いっぱいの花束をあなたに
「なかなか鋭い眼光をお持ちなマネージャーだね」
明らかに誉めていない三雲くんの言葉に、滝川くんが苦笑いを浮かべる。
「うちの裏番長なんだよ、育は」
「真南斗、聞こえてるわよ。後で、腕立て伏せ100回」
「……………………」
柿原さんの一言に、滝川くんが凍りつく。
「えげつないね………お気の毒様……」
「ハハッ……」
顔をひきつらせる三雲くんに、滝川くんはから笑いを浮かべる。
その目は、遠くを見つめていた。
「花音ーっ!!」
颯は、試合が終わってすぐに、私の所へと走ってくる。
両サイドに美緒とつっくんがいるのに気づくと、颯はペコッと頭を下げた。
「先輩達も来てくれてたんっすね、ありがとうございます」
「颯くん、カッコ良かったわ!!」
「良い試合だった、これからも我が校の為に最善を尽くしてくれ」
美緒とつっくんが、それぞれ返事を返す。
良かった、2人も颯の事、誉めてくれた……。