両手いっぱいの花束をあなたに



「なかなか鋭い眼光をお持ちなマネージャーだね」


明らかに誉めていない三雲くんの言葉に、滝川くんが苦笑いを浮かべる。


「うちの裏番長なんだよ、育は」

「真南斗、聞こえてるわよ。後で、腕立て伏せ100回」

「……………………」


柿原さんの一言に、滝川くんが凍りつく。


「えげつないね………お気の毒様……」

「ハハッ……」


顔をひきつらせる三雲くんに、滝川くんはから笑いを浮かべる。


その目は、遠くを見つめていた。


「花音ーっ!!」


颯は、試合が終わってすぐに、私の所へと走ってくる。

両サイドに美緒とつっくんがいるのに気づくと、颯はペコッと頭を下げた。



「先輩達も来てくれてたんっすね、ありがとうございます」


「颯くん、カッコ良かったわ!!」


「良い試合だった、これからも我が校の為に最善を尽くしてくれ」


美緒とつっくんが、それぞれ返事を返す。

良かった、2人も颯の事、誉めてくれた……。






< 216 / 351 >

この作品をシェア

pagetop