両手いっぱいの花束をあなたに
「美緒先輩、生徒会長……俺、絶対に負けないんで!!花音先輩も、必ず守るッス」
「あぁ、俺たちの大事な娘だ」
「娘!?」
颯に、私の事を「娘」だと答えるつっくんに、私は声を上げる。
私は、妹から、ついに娘になった。
「つっくんなりに、花音を大事にしてるのよ」
「そういうモノ……?」
美緒に言われて、私は不思議に思いながらも、鞄を持つ。
この中には、颯へのお弁当が入ってるのだ。
「2人でご飯食べて来なよ!」
「俺も……」
「つっくんは、ここにいなさい」
「うう……」
明らかに落ち込むつっくんを、美緒が慰めている。
ここは美緒に甘えて、私は颯の手を引いた。
「颯っ、お弁当食べて!」
早く食べてほしくて、私はグイグイと颯の手を引いてしまう。
「花音っ……あぁ、すげぇー楽しみ!!」
颯は、照れながらも、嬉しそうに笑ってくれた。
私と颯は、体育館のコートの隅に腰を下ろす。
私は、ランチマットの上に、お弁当を広げた。