両手いっぱいの花束をあなたに



「すっげぇ……これ、花音先輩の手作り!?」


ふわふわの卵焼き、タコさんウインナー、ミニハンバーグに、唐揚げ、サニーレタスとプチトマトのサラダつきお弁当。



「へへっ……うん、朝から作ったの」


なんか、自分で言って恥ずかしい。

颯、喜んでくれるかな……。


「マジで嬉しい……食べていいか?」


「う、うん!はい、お箸……」


颯にお箸を渡すと、颯はそれを受け取ろうとして、一瞬考えるようにその颯を見つめる。


「颯………?」

「花音、お願いがあんだけど……いいか?」


なんだか、深刻そうに私を見つめる颯に、ゴクリと唾をのむ。

なんだろ、すごく大事な話??


「う、うん!」


私は、ドキドキしながら、強く頷いた。


「………食べさせて」


「……………?」


颯、今「食べさせて」って言った?

いや、でも聞き間違いかもしれないし……。





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