両手いっぱいの花束をあなたに

「花音に、食べさせて欲しい……つーか、ダメ？」


ードキッ！！


「っえ！！」

「…………っ、すげー恥ずかしいんだから、早く返事くれよ」


颯は、今まで至上初くらいの赤い顔で、私を見つめる。

そんな颯に、私も真っ赤になりながら、お箸で玉子焼きを掴んだ。



「は、颯っ………あーん」


「っ、ん。……あー……んぐっ」


颯は、私の箸で掴んだ玉子焼きを一口で食べる。

もぐもぐもせずに、丸のみにしたように見えたけど…。


「は、颯、今ちゃんと噛んだ？？」


「んぐっ」て聞こえたよ？？


え、丸のみにしなきゃいけない程、不味かった！？


ガーンとショックを受けていると、颯は頭をガシガシと掻いて、赤い顔でソッポを向く。