両手いっぱいの花束をあなたに
8.ひまわり
ー6月。
雨降る梅雨の時期がやってきた。
今日は、朝早くから、美緒とつっくんと一緒に、颯のインターハイ予選の応援に来ている。
今日は制服じゃなくて、私服。
花柄のフリルがついたシフォンワンピ-スに、ちょっぴりマスカラとオレンジベースのチークをつけて、化粧をしてみた。
茶色のショルダーバックの他に、颯へのお弁当を作って入れてある紙袋を手に、人混みの中を歩く。
「わぁ……人がいっぱい」
「花音、離れないように、迷子になるぞ」
つっくんが私の手を引いてくれる。
まるで、子供になった気分だ。
ここは、スポーツセンターで、大きな体育館の客席。
インターハイ予選では。東京の高校の内、上位3校がインターハイに出場できるらしい。
色んな高校の応援とかで、人が溢れ返ってるのだ。