両手いっぱいの花束をあなたに
「颯、少しだけ屈んで?」
「ん、こうか?」
そう言って、颯が少し膝を曲げて屈む。
それでもまだ高い颯の背に届くように、私は背伸びをして、颯の首に手を回した。
「颯なら、絶対に勝てるよ……」
ーチュッ
「っ!!」
私は、恥ずかしさに顔を真っ赤にしながら、颯のほっぺに触れるくらいのキスをした。
「か、花音それは………反則だろっ」
颯は私がキスした方の頬を押さえて、顔を赤く染めながら、私を見つめた。
「だ、だって……これしか、思いつかなかったの!」
分かってるよ!!
私だって、恥ずかしいんだから、もう追求しないで!
「あんなぁ、嫌って言ってるんじゃなくて……」
「え……」
そう言った颯の声が、すごく近くに聞こえた。
いつの間にか、颯の吐息が顔にかかるくらいにある。