両手いっぱいの花束をあなたに

ービィィィーーッ！！


ブサーと共に、試合が開始する。


ジャンプボールは、もちろん颯が制し、キャプテンの滝川くんが、ボールをスムーズに運ぶ。


「颯っ！！」

「了解ッス！！」


滝川くんが名前を呼んだだけで、颯は何かを察して、滝川くんからパスを受けとる。


そして、ドリブルしなら、時々体を回転させて相手を抜きながら、ゴールへと駆け抜ける。


「颯ーーっ！！」


私も、周りの声援に負けないように声を張った。

颯のスピードは、グングン上がって、いつものように強く踏み切り、ゴールへとボールを叩き込む。


ーダァァンッ！！

ーピィィィーッ！！


「す、すげー、いきなりダンク決めやがった！！」

「つか、あれ松島　颯だよ、国体の候補選手だろ！！」


他の学校の選手なのか、颯達の試合を見て驚きの声を上げていた。