両手いっぱいの花束をあなたに


「ハハッ、楽しめたのは、花音のおかげ。花音と会った瞬間、怖いなんて気持ち、吹き飛んだ」


「え、そうだったんだ!?私に、そんな効果があったなんて、知らなかったなぁ」


「やっぱ、俺の勝利の女神、手離せねーお守りだな」


颯は、心底愛しげな眼差しを、私に向ける。

そんな颯に、私は笑顔を返した。



「私は、颯の実力だと思うよ?」


「いーや、それがあったとしても、花音がいるのといないのとじゃあ、全然違ぇーの」


「ふーん?」


「その『ふーん』は、よく分かってねー、『ふーん』だな」


颯は、苦笑いを浮かべる。

そして、そっと私の手をつかんで、指を絡める。

いわゆる、恋人つなぎというやつだ。




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