両手いっぱいの花束をあなたに


「それから、俺の女神!!」


今度は、私に人差し指を向ける黒崎くん。

私も立ち上がって、黒崎くんを見下ろした。



「絶対奪ってやんから、首洗って待ってな!!」


「雷牙……それは、意味違うから。喧嘩売ってどうすんの…」



黒崎くんにすかさずツッコム三雲くん。

2人は、相変わらず変わってないなぁ……。



こんなみんながいる所で、まさかの「首洗ってろ」発言。

私は、苦笑いで黒崎くんを見た。


すると、不意に左手が温かくなった。

……え??

颯が、私の手を握ってる……。

颯の顔を見上げると、不安に揺れた瞳で、私を見つめていた。


颯……。

その瞳を見て、私は決心する。

真っ直ぐに黒崎くんを見つめ返した。






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