両手いっぱいの花束をあなたに



「私は……」

「っ………」


颯の手に、グッと力が入る。

颯の緊張が、私にまで伝わってくるみたいだった。


「勝つとか、負けるとかじゃなくて、私はありのままの颯が好きなので、ごめんなさい!!」


体育館に響き渡るほどの大声で叫んだ。


その途端に、「俺、振られたーーっ!?」という黒崎くんの叫びが返ってくる。


それに、会場が「ワァッ」と笑い声で包まれる。



「雷牙、お前は最初からフラレてたでしょ」

「三雲~っ」

「先輩、つけろっていっつも言ってるよね?」


大げさに崩れ落ちる黒崎くんの頭を無表情で撫でる三雲くん。

涙目で、黒崎くんは、私を見上げた。


「いやいや、俺は諦めねーからなぁ!!」


「イヤ、いい加減諦めなよ」


バッサリと斬る三雲くんに、黒崎くんは引きずられて控え室へと帰っていく。




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