両手いっぱいの花束をあなたに
ー午後、ついにやってきた、インターハイ決勝。
颯のチームと、黒崎くんのチームが今、向かい合っている。
「ジャンプボール、行けるか?」
「………ッス」
滝川くんは、颯がいつもと様子が違うことに気づいたのが、心配そうな顔をしてる。
「雷牙、ほら、女神様に良いとこ見せるんでしょ」
「オー、三雲見とけよ!」
「何で俺が見てなきゃなんないの……つか、先輩、キャプテンつけろ」
三雲くんは、黒崎くんの背中をバシッと叩く。
うちの高校とは違って、黒崎くん達のチームは、いつも通りにに見えた。
ービィィィーーッ!!
そして、試合が始まる。
主審の手から投げ出されたボールが、宙へと投げられた。