両手いっぱいの花束をあなたに


得点は、『5-6』で、黒崎くんチームが1点リード、残り時間6秒。


颯がここて決めなきゃ、颯達のチームが負けるっ!!

お願い、颯っ!!
 

「ウラァァッ!!」


颯は、ゴールから少し離れた所で、ジャンプシュートする。


「させっかよ!!チョコレート頭っ!!」


でも、すぐに黒崎くんがブロックに入り、その手がほんの少しボールに触れてしまった。


ーガキンッ!!


すると、ボールはわずかに軌道がズレて、ゴールの縁にぶつかり、弾かれる。


それが、やけにスローモーションに見えた。

ダァンッと、ボールが床に転がり、ビィィィーーッと、試合が終わる。


「「ワァァーーッ!!」」


黒崎くん達のチームへ、盛大な声援が送られた。

颯は、呆然と転がったボールを見つめて、立ち尽くす。









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