両手いっぱいの花束をあなたに
「颯、最後までよくやりきったな」
「おー、俺たちにしちゃあ、頑張ったわな!!」
滝川くんと篠田くんが、颯の両肩に手を置いた。
それでも、颯は顔を上げずに俯いている。
「………俺の、俺の最後のボールが入ってればっ……」
「颯、お前のせいじゃ……」
そう言って滝川くんの手を、颯がパシンッ振り払った。
「俺のせいッスよ!!何で責めないんスか!!」
「颯……俺も真南斗も、コイツらも、みんなやりきっただろ、みんなの結果だぞ?」
篠田くんの言葉に、颯は首を振る。
「俺が、試合開始前からビビってんの、真南斗先輩は気づいてましたよね?なのに、信頼してジャンプボールも任せてくれた……それなのに、俺はっ!!」
悔しげに叫ぶ颯に、私は呆然と立ち尽くす事しか出来なかった。
こんな時、なんて声をかけたら良いの?
励ますのも、慰めるのも違う気がした。
どんな言葉も、颯を傷つけてしまいそうで…怖い。