両手いっぱいの花束をあなたに
ー放課後。
美緒は委員会、つっくんは生徒会が入ってしまって、私一人で帰る事になった。
私は最寄りのバス停から降りて、イチョウ並木の途中にある、1本の裏道に入る。
朝行きそびれているので、待ち遠しくてたまらない。
「ふふっ」
この道を抜けた先に、私の大好きな『ポピー』の花壇がある公園がある。
そして道を抜けると、住宅街の中に、ポツンとある公園。
ーザクザクッ
うん、やっぱり、土を踏む感覚は良い。
滑り台と鉄棒しかないへんぴな公園だと皆は見向きもしないのかもしれない。
そう、きらきらびやかな都会の中では異質。
でもどこか温かい田舎を思わせる、私の好きな場所。
そして、お目当てのポピーの花壇へとたどり着く。