両手いっぱいの花束をあなたに


「そんくらいで、腑抜けんなよ、チョコレート頭ぁ!!」

「っ……お前には、関係ねーだろ…」


颯は、黒崎くんを睨み付ける。

黒崎くんは、「ハッ」と呆れたように笑う。


「本当の強さってのはな、絶望から這い上がる事の出来る奴が持ってんだよ。お前にはねーのか、ガッカリだぜ」


「!!」


颯は、まるで図星を言い当てられたように言葉を失っていた。


「行くぞ、三雲!!」

「お前な、俺は先輩なんだけど?ったく……それじゃあ、今度はインターハイで」


そう言って、三雲くんと黒崎くんが、控え室へと戻っていく。


颯は、ただただ、その場に立ち尽くしていた。

颯は……今何を考えてるんだろう。

絶望に、苦しんでいるのかも知れない。

私は、何をしてあげられるんだろう……。



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