両手いっぱいの花束をあなたに
そして、予選が終わった。
優勝はダメでも、準優勝をしたのに、颯の顔は暗いままだった。
あの顔が、ずっと忘れられない。
帰る支度をして、鞄を肩にかけると、隣の美緒とつっくんが、私の背中をポンッと押す。
「2人とも……?」
と、突然どうしたんだろう……?
不思議に思って振り返ると、2人は笑顔を浮かべていた。
「今、颯くんに必要なのは花音でしょ!」
「早く、笑顔を見せてやる事だ」
美緒、つっくん……。
その言葉に、ジーンと、心が温まる。
「うん!!私、頑張るね!!」
ガッツポーズをして、私は颯のいる控え室へと駆け出す。
会うのが怖いって、少しでも思った自分に渇を入れたい。
今、一番不安で苦しんでるのは、颯だ!!
私は颯の彼女なんだもん、傍で支えなきゃ!!
そう強く心に決めて、私はスマホで、颯へと電話をかけた。