両手いっぱいの花束をあなたに
「颯……?」
どうして、背中を向けるの??
颯が、遠くに行っちゃう気がして、私は手を伸ばした。
「来るなっ!!」
ーパシンッ!!
「痛っ……」
伸ばした手を、颯に払われて、私の頭は真っ白になる。
それは、颯も同じだったみたいで、私を見つめて、驚きに目を見開いていた。
「わ、悪い……俺、花音を傷つけるつもりじゃ……っ」
「女に手出すとか、最低だな!!」
すると、私の後ろから、声が聞こえた。
颯からは見えているのか、颯の表情がすぐに険しくなる。