両手いっぱいの花束をあなたに


「ふっ……うぅっ……」


両手で、顔を覆う私の肩に、誰かの手が乗せられる。


涙でボロボロの顔を上げると、申し訳なさそうな黒崎くんと目があった。


「く……ろさき、く……」

「悪かった……俺のせいだぁぁっ!!」


頭を抱えて座り込む黒崎くんに、三雲くんがズカズカと歩み寄る。


「馬に蹴られて死ぬぞ、お前」


ーポカッ


「い、痛ぇっ!!あー、でも俺のせいだから、我慢するーーっ!!」


三雲くんに頭を殴られて、黒崎くんは悶える。


そんな2人を見ていたら、なんだか可笑しくなってきて、「ふふっ」と小さく笑ってしまった。



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