両手いっぱいの花束をあなたに
「オ、笑ったか!?今、笑ったよなぁぁっ!?」
「ひっ!!う、うん…っ」
ヤンキー……じゃなくて、黒崎くんに肩を掴まれて、私は目を見開く。
すると、黒崎くんは、心底ホッとしたように、笑った。
「まぁ、この通り、感情だけで突っ走るバカだけど、雷牙なりに、君を心配してるんだ。許してやって」
そういう三雲くんの目も、優しいものだった。
私は、それに笑みを浮かべて頷く。
「これは、私と颯の事だし、黒崎くんがどうとか、そういうんじゃないんだ……」
私は、自嘲的な笑みを浮かべて、私は颯が消えた、控え室の長い廊下を見つめる。
「…もう、私なんて、必要ないのかなぁ…っ?」
もう、隣には柿原さんがいるから。
私は、颯にプロポーズされて、この人と素敵な恋をするんだって思った。
それで……恋した。
いつの間にか、颯が好きよりも大きい……愛しいって気持ちになって……。