両手いっぱいの花束をあなたに


「颯、立ち止まってどうしたの?」 


すると、ドリンクを持って、後ろから走ってきた柿原さんが、颯の隣に立つ。



「あぁ、いや………」


「あぁ、また野木さん?今度は何、颯を追い詰めるような事言うなら、許さないから!颯は、忙しいのよ」



そう言って、柿原さんが颯の腕を引く。


「っ………」


ーズキンッ


颯、私は……颯の重荷でしかない??

私よりも、柿原さんの傍にいるほうが、颯は……幸せ?



「追い詰めるなんて……っ、颯、私はまだ…颯の傍にいちゃだめ……なのかな?」


颯に迷惑かけたくない。


追い詰めるつもりも無いけど……。


そう、聞かずにはいられなかった。




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