両手いっぱいの花束をあなたに
すると、ナチュラルショートのチョコレートのような濃いブラウンの髪に、驚くくらい背の高い顔の整った男子が目の前に立っている。
「あ、あのっ!!」
すごく赤い顔で、真剣に私を見つめる男の子。
あれ、私と同じ高校の制服だ……。
ただ、つっくんとは反対に、目の前の男の子は、Yシャツのボタンを上2つくらい開けて、ゆるくネクタイをつけている。
「あの………」
私が黙り込んでいたからか、男の子は不安そうにもう一度声をかけてきた。
「はい、なんでしょう」
というか、どなたでしょう。
私、どっかで会ったかな?
うーん、人の名前とか覚えるの苦手だからなぁ…。
自分の記憶力の無さには、自信がかる。