両手いっぱいの花束をあなたに
「アイツと戦ったから分かる。チョコレート頭は、すげぇ選手だわ!俺も、ヤベエっ、化け物だ!って震えたぜ」
「そういえば……」
この台詞、どこかで聞いたような……。
『あいつ、化けもんか……』
『小細工が無いから、余計にすげーんだ……』
そうだ、颯も黒崎くんと同じ事言ってたんだ。
お互いを、認め合ってるのかも。
強敵が現れても、それすら楽しめるくらいに、颯は…なれる?
「私は…バスケをしてる時の颯が、一番好きなんだ」
「花音………」
どんな颯も好きたけど、ありのままで、生き生きとした颯か見れるのは、バスケだ。
「私の事は……好きになってくれなくていい。でも……バスケの事は、嫌いになって欲しくないよ…」
私の事なんて、忘れていい。
ー嘘、本当は忘れないでほしい…。
相反する私の心。
それよりも、私は颯から笑顔が消えてしまった事の方が、悲しい。