両手いっぱいの花束をあなたに
「……あーあ、隙あらばかっさらってやろうと思ってたのによ!!」
「え??」
「そんな顔見せられると……仕方ねぇ、女神の笑顔の為だ、俺は花音を応援してやる!」
「黒崎くん………」
黒崎くんは、軽く私の頭をポンポンッと撫でた。
私は、そんな黒崎くんの優しさに、笑みを返した。
「ただし!アイツが俺の女神を泣かせるような男なら、絶対に俺のモンにすんぞ!!」
泣きそうなのを堪えてる……未練がたっぷり残った顔。
なのに、冗談っぽく言うのは、私を気遣ってのことだろう。
「ふふっ……ありがとう、本当にありがとう、黒崎くん」
「おー!花音は笑ってた方が、可愛いんだからよ!」
「そ、それは知らなかったな…」
「あぁ?学校でモテんだろ?」
黒崎くんは不思議そうに首を傾げる。
私は、黒崎くんの発言の方が、びっくりだった。