両手いっぱいの花束をあなたに


それを大事に抱えて、私は黒崎くんの所へと戻る。


「オー、お前モフモフじゃねーか!!」

「ワンッ」


すると、黒崎くんの楽しそうな声が聞こえた。

黒崎くんは、散歩途中のおばあさんの犬を撫でくり回している。


おばあさんはというと……。


「……………………」


完全に、黒崎くんのヤンキー風な容姿に凍りついていた。

私は、苦笑いを浮かべながら、2人と1匹に近づく。


「ゴールデンレトリバーですよね?」


「っ……え、えぇ……そうなのよ」



突然話しかけたせいか、おばあさんは、驚いた顔で私を見つめる。



「花音、戻ったのか!!」


「うん、黒崎くん、ワンちゃん好きなんだね」


ヤンキーみたいな容姿からは想像出来ないなぁ。

黒崎くん、なんか可愛いな。



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