両手いっぱいの花束をあなたに


「お、俺っ!!松島 颯(まつしま はやて)って言います!!」


「おおっ……」


わぁっ、大きな声!

ちょっと、びっくりしたよ?


私は驚きに目を見開きながら、私は颯くんをジッと見つめる。


「うっ………」


すると、私の視線に気づいたのか、颯くんは呻き声と共に、即座に視線を逸らしてきた。


ーえ??

今、目線逸らされた?

うーん、今どういう状況なんだろう、颯くんは私に用事があったから声をかけたんじゃ…。


「お、俺、洒落た事とか、うまく言えないんで、単刀直入にいきます!!」

「???」


頭が『?』マークだらけだ。

首を傾げていると、視線を逸らしていた颯くんは、私を真っ直ぐに見つめた。


あ……すごく、意志の強い目だ…。

綺麗だなぁ……。

つい、颯くんの澄んだ瞳に、目を奪われた。



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