両手いっぱいの花束をあなたに



「誰よりも、チームの力になりたいって思ってたから、なおさら……颯は、ミスをした自分が許せないんだよ」



『なぁ、いつもみたいって、なんだ?…楽しむってなんだ?そんな気持ち、あの、一瞬で全部ワケわからなくなった!!』


楽しさも、何も感じられないほどに……。

好きなバスケが、嫌いになるほどの苦しみを、私じゃ図りしえない。


「私じゃ………」

ポツリと、今まで黙っていた柿原さんが声を発した。

私は、驚いて柿原さんを見つめる。


「私じゃ、颯を励ます事も、慰める事も出来なかった」

「柿原さん……」


柿原さんは、きっと颯が好きなんだと思う。


鈍い私でも気づくのは、私も同じように、ううん、それ以上に颯の事が好きだからだ。








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