両手いっぱいの花束をあなたに
「颯の傍にいれないのが辛くて、颯の心の支えだった野木さんを……私が遠ざけちゃったから……っ」
すると、ポロポロと柿原さんが泣き出す。
そんな柿原さんの背中を滝川くんが擦ってあげていた。
「颯にもう一度、バスケ部に帰って来てほしい。野木さん、颯を……お願いっ」
「柿原さん………」
泣きながらお願いする柿原さんに、私まで泣きそうになった。
私は柿原さんの前に立って、その両手をとる。
「柿原さんは、バスケの事で悩んでる颯の力になってたよ!私の方が………」
私の方が、颯に何もしてあげられなかった。
「野木さん……」
「まだ、颯の為に何が出来るのか、答えは見つからないけど、傍にいて、支えられるように、頑張るから!」
もし、私の存在が、まだ颯にとって意味のある存在だったとしたら……。