両手いっぱいの花束をあなたに
篠田くんは、確か……。
『颯が背負ってるモンは、本来俺たちも背負うべきモンだ。俺たちは、チームなんだぜ、颯一人で戦ってるわけじゃないって、アイツは分かってねぇ』
『颯のバカ、あいつ一人で抱え込みやがって…』
チームで導いた結果だった。
同じ目標へ向かう、仲間で背負うモノだって言ってた。
「颯、颯は……仲間の気持ちを聞くべきだよ」
「俺を、責めない良い先輩だよ、あの人達は……」
「そうじゃない!!」
「っ!!」
大きな声を上げる私に、颯は目を見開く。
その瞳が、不安げに揺れていた。
「責めるとか、責めないとかじゃないよ!もうっ、こっち来て!」
ーグイッ
私は、颯の腕を掴む。
そして、そのまま引きずるようにして、颯の腕を引いて歩き出した。
「あっ、カラオケはどうすんだよ!!」
「ちょっとあんた!!」
「颯くん、連れてかないでよー!!」
颯の男友達と、ファンの子達が文句を言ってくる。
そんなん、知らんがな!!
「颯は、今日予定があるので!!」
あんだけファンの子にビクビクしてた自分が嘘みたいに、ハッキリとそう言えた。