両手いっぱいの花束をあなたに


「皆さん、颯が来ましたー!」


そして、練習をしていたバスケ部のみんなに、声をかける。

すると、全員がバッとこっちを向いた。


「は、颯……颯か!?」
    

そう言って、篠田くんが驚きの声を上げる。


「良かった、また戻ってきてくれたのか??」


「良かった、颯っ……」


滝川くんと柿原さんも、ホッとしたように笑みを浮かべる。


「っ…………」


そして、こっちに駆け寄ってくるみんなに怖くなったのか、颯が、繋いだ手に力を入れた。


大丈夫だよ……。

そう、気持ちを込めて、その手を握り返す。


「颯、お前なぁ、自分を責めすぎなんだよ!!」
 
「!!」


篠田くんが、颯にズカズカと近づくと、颯の頭をガシガシと撫でる。














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