両手いっぱいの花束をあなたに
「あれを聞いて、颯は悔しくないのか?」
「悔しいに決まってるじゃないっすかっ!!だけどっ……」
「颯、なら逃げるな。戦って、乗り越えろ」
滝川くんは、颯の肩をポンポンと叩く。
「陸も言ったが、お前は一人じゃないぞ、颯。挫けた時は、肩を貸してやるし、倒れそうな時は、背中を支えてやる。だから、思う存分にやればいい」
颯は、滝川くんの言葉に、目を見開いた。
「その代わり、俺等が挫けた時は、颯が助けてくれるんだろ、なぁ、颯?」
そして、篠田くんの言葉で目に涙を浮かべながら、強く、しっかりと頷いた。
「俺っ……バスケが怖くなって……それでも、やっぱりバスケの事忘れられなかったっす。むしろ、バスケの事ばっか考えてて……」
颯……。
あの時、カラオケに行こうとしていたあの時も、バスケの事、考えてたのかな……。