両手いっぱいの花束をあなたに


「また、あん時みてぇに負けたらって、不安で逃げようと、したっす。だけど、あのヤンキー野郎は、そんな俺の弱さを見抜いてやがった……」


「お前と似てるとこあったしな、もしかしたら、励ますつもりだったんじゃね?」  


篠田くんの言葉に、颯は頷いた。


「俺……勝ちたいっす。陸先輩と、真南斗先輩と、チームのみんなと……。それに、いつも支えてくれる、育先輩達、マネージャーの為にも」


「颯………」


颯の言葉に、柿原さんは、泣き笑いを浮かべた。


「勝手に休んで、すんませんっした!!もう一回、先輩達と戦わせてください!!」


ガバッと、颯は頭を深々と頭を下げる。

すると、みんなが颯を取り囲んだ。









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