両手いっぱいの花束をあなたに
「つか、なんで俺って分かったんだ!?」
「うんー、誰でも分かると思うけどな」
黒いTシャツにジーパンまでは良かった。
それに、サングラスに、マスクをつけているせいで、いつものヤンキー風に、不信感が増す。
「その格好、どうしたの?」
「偵察だよ、偵察!花音、あのチョコレート頭が部活戻ったって言ったろ!」
黒崎くんには、颯の事を相談していた。
私の背中を押してくれた黒崎くんは、なんだかんだで颯の事が気がかりだったみたい。
偵察に来ちゃうくらいだもんね。
そんな優しい黒崎くんになんだか、笑みが溢れる。
「黒崎くん、一人で体育館で待ってたの?」
その格好で??
だって、黒崎くん体育館から出てきたよね??