両手いっぱいの花束をあなたに


「あー、じゃあ花音はこれ被っとけ!!」

「??」


パフッと頭に何かを被せられる。

触ってみると、頭にはキャップが乗せられていた。


制服に、キャップ……。


「逆に、目だってないかな??」


両手でキャップを押さえながら、私は苦笑いする。

黒崎くんはというと……。


「これで完璧だぜ!!」


「………そう、そうなんだ……」


goodと、親指を立ててハニカム黒崎くんに、私は何も言わずに頷いた。


まぁ、黒崎くんがせっかく用意してくれたんだし、このままでもいいか。


「そんじゃあ、潜入すんぞーっ!!」

「お、おーっ!」


私の腕を引いて体育館へと入る黒崎くん。


潜入というより、こんな大声で入っていったら、突入の方が合ってる気がした。




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