両手いっぱいの花束をあなたに
「おおっ、すごい量だね!」
「普通だろ、こんくらい!!って、花音はちいせぇからな!」
にしたって、おにぎりを10個買う人に、初めて出会った。
黒崎くんは大きいし、運動してるからいいけど、私なんてこれ全部食べたら、デブまっしぐらだ。
「じゃあ、梅干しにする!」
「おー、好きなの食え!」
2人でおにぎりをかじっていると、「花音!!」と、名前を呼ばれた。
「わっ」
私は驚いて、手からおにぎりを落としそうになる。
「あっぶね!!大丈夫かぁ?」
すると、とっさに黒崎くんが私のおにぎりをキャッチした。
さすが、バスケやってるだけある……なんて。
「花音、なんでここにいんだよ!?」
「えっ………」
そして、声の主は私の目の前に立って、驚きに目を見開いている。
そして、それは私も同じ。
「は、颯っ!」
なんで颯がここに!?
そう、それはまぎれもなく颯だった。
すぐにバレるだろうと思ったけど、こんなに早いとは、思ってもみなかったな。