両手いっぱいの花束をあなたに


「黒崎くん!?」


あなたは、なんて事を!?

私はビクビクしながら、颯を見つめる。



「は?デート??」


明らか、颯の声のトーンが低くなる。

どうしよう、誤解されちゃ……。


「花音は、もう俺と一緒にいんの、嫌かよ?」


「えっ……?」


颯は、泣きそうな、傷ついたような顔で私を見つめる。

それに、胸がキュッと締め付けられた。



「そんなわけ……」


「花音は、俺の彼女だろっ!!俺の傍にちゃんといろよ!!」


「っ!!」


怒鳴る颯に、私は目を見開いた。


俺の彼女だろって……。

こんな状況じゃなきゃ、嬉しい言葉だった。

だけど、今は……。







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