両手いっぱいの花束をあなたに
赤く燃えるような熱情の恋。
慕い、愛おしむようなピンク色の恋。
橙色の温もりが、包み込む恋。
笑顔溢れる黄色く輝く恋。
純真に想い誓う、白色の恋。
ねぇ、颯くん。
この花言葉をもし知っていたとしたら、なんて素敵なプロポーズだろう。
「私、恋をした事がないんだけど……」
花束を優しく抱き締めて、颯くんを見上げると、意外そうな顔で私を見下ろした。
「そんな、可愛いのにっ!?」
「颯くんは、私が可愛く見えるの……?」
「あ、ああ当たり前っす!って、何言わすんすかっ…」
耳まで赤くなった顔を隠すように、片手で顔を覆う。
そんな颯くんに、私は微笑んだ。
「私の……知らない7色の恋を教えてください」
誰かを思って熱情したり、思い出す度に胸が焦がれるような、色んな色の恋を…。
私も、知りたい。
そして、誰でもいいわけじゃない。