両手いっぱいの花束をあなたに


「ったく、ちっとは見られるようになったと思ったけどよ……情けねぇ面だなぁ」


すると、傍にいたヤンキー野郎が、呆れたように俺を見た。

チッ……くそ、こいつがいたの、忘れてたわ。


そもそも、お前のせいだぞ!!って、責任転嫁しようとして、俺はまたため息をつく。


これじゃあ、ただの八つ当たりだ。

誰のせいでもねぇ、俺のせいだってのに……。


「花音の事だ、冷静になんて、なれねーよ……」


落ち込まずにいられるわけねぇー。


自分が最低すぎて、今すぐ殴ってやりてぇくらいだ。



「悔しいけどなぁ、俺と花音はなんもねぇーぞ?」


「………分かってても、不安になんだよ」


現に、ヤンキー野郎は花音の事呼び捨てにしてるし。


前まで女神とか、あだ名で呼んでたし、花音はこいつに向かって、後で連絡するって言った。


それって、連絡先知ってるって事じゃねぇーか。


いつの間に、そんなに仲良くなってんだよ…。





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