両手いっぱいの花束をあなたに


「っス!!」


そう返事して駆け出す俺の後ろで、会話が聞こえた。


「頑張ったな、育」


「………何が言いたいの、真南斗」


「俺に言わせるのか、それを」


「っ………うるさいわね、バカ真南斗」



会話の意図は分からない。

それよりも、俺の頭は花音の事でいっぱいだった。



花音っ……頼むから、追い付いてくれ!!

伝えたい事、聞きたい話が、たくさんあんだ!!


俺は、全力で走って、花音の姿を探すのだった。




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