両手いっぱいの花束をあなたに
でも……知られたくなかった。
苦しんでる自分、こんな弱い自分を、今前を見て踏み出そうとしている颯に、見せたくなかったんだ。
「花音」
すると、足音もせずに、目の前に人の気配と声がした。
嘘っ……颯、追いかけてきたの!?
「っ!!」
驚きと、追いかけてきてくれたって嬉しさ……複雑に絡んだ気持ちで、私は咄嗟に顔を上げる。
「想像してる人と違かったみたいで、悪いな」
「っ………あ、つっく…ん……っ」
そこにいたのは、制服を着たつっくんだった。
手には、生徒会の書類。
そして、泣いている私の顔を見て、眉を寄せた。